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身近なところでも。

 

近頃はグッと気温が低くなる日が増えました。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。

急な冷え込みで体調など崩されませんように、どうぞご自愛ください。

 

さて、本日も宇宙法研究部会が開催されました。

昨今のウィルス騒動が始まる前は、宇宙法研究部会も霞が関に所在する「弁護士会館」の講堂に集まって行われていたのですが、近頃は、原則として、Web会議システムを利用した開催になっています。

 

Web会議システムにもまだ不慣れだった頃は、そもそも自分が会議に参加することすらスムーズにできなかったりしましたし(苦笑)、大規模な会議ではシステム自体も不安定だったりして、戦々恐々として会議を実施したように記憶しております。

 

ですが、近頃では、会議の主催者はもちろん、私自身もそうですが、すっかりWeb会議システムに慣れまして、非常に使い勝手がよくなっています。資料の共有などの点では物理的に集合して開催される場合よりも利便性が高かったりしますので、今後はあえてWeb会議システムで行われる機会が増えていくのだろうなぁなどとも感じています(今さらですが。。。)。

 

と、前置きはこのくらいにしまして、本日の宇宙法研究部会の内容についてご報告をさせていただきます。

 

本日は2名の部会員の先生方から調査報告がなされました。最初の先生のご報告は「スポーツにおける宇宙の活用」、2人目の先生のご報告は「宇宙保険」をそれぞれテーマにしたものでした。

 

「スポーツにおける宇宙の活用」では、例えば、「測位衛星システム(GNSS)」と呼ばれる仕組みを利用して、スポーツにおける動作の合理的な分析が進められているとのことでした。

 

具体的には「デジタルブラジャー」と呼ばれる、胸までの長さしかないタンクトップのような装置を選手が身に着けることで、選手の動きを測位衛星システムを通じて把握できるようになります。これにより、選手個人の動きを把握できるのはもちろんのこと、サッカーやラグビーなどのフォーメーションを重視するスポーツの戦術分析に不可欠な装置となっているとのことでした。

 

宇宙における最新の技術が、私たちの身近な世界にも浸透してきていることの一例だと思い、とても興味深くお話をお聴きすることができました。

 

次に行われた報告は「宇宙保険」に関するものでした。宇宙ビジネス、あるいは、宇宙技術の開発は、地上におけるそれらよりも未知な部分が多く含まれますから、突発的な事故への備えはむしろ厳重である必要があるといえましょう。そのため、「宇宙保険」は、不幸にも事故が起こってしまった場合の、金銭的な補償に関する制度としてなくてはならないものだといえます。

 

現在、宇宙保険を提供する主体は世界に30社程度の保険会社があるそうです。私たちに馴染みのある日本の保険会社でいいますと、三井住友海上さんや東京海上日動さん等の各社が取り組まれているとのことでした。

 

もっとも、宇宙技術や宇宙空間に関する事項につきましては、一旦事故が発生しますとその損害が極めて大きくなる傾向にありますので、保険会社の経営上、保険事業に参入し難いといった事情もあるようです。なかなか難しい問題です。

 

本日の宇宙法研究部会では、私たちの身近にあるスポーツや保険と宇宙の関わりについての報告を聴くことができ、また新たな知識と気づきをいただきました。とても有意義な時間でした。