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子供たちの声と損害賠償請求

 

私の自宅はマンション(6階)なのですが、1年ほど前、隣りに建物がたち、そこに保育園が入りました。自宅の玄関を出ますと、すぐ下に保育園の中庭が見渡せる状態になっています。

 

園児たちは朝から活発で、その中庭で力いっぱい遊んでいますから、出勤の時に玄関の扉を開けますと、子供たちの元気な声が飛び込んできます。

 

保育園に限らず、幼稚園や学校など、子供たちが集まる施設からは、当然、大きな声が聞こえてくるわけですが、世の中には、その声を「騒音」と感じている人がいることも事実です。

 

そして、「騒音」によって精神的苦痛を感じたとして、損害賠償(慰謝料)請求の裁判に発展しているケースも散見されます。

 

これは、人それぞれ感じ方の違いなので、どちらが正しいとか、間違っているとか、抽象的に判断できることではありません。普段は気にならないという人でも、体調が悪く、自宅で静養している時だとしたら、うるさく感じることもあるでしょうから。

 

ですので、他人様が感じていることについて、私がここでとやかく批評するつもりはありません。 

 

ただ、私自身に関していえば、散々騒いで(暴れて?)、周りに迷惑をかけて育った子供時代があり、それが大きくなって、今の弁護士吉村実がありますので、近所の子供たちが発する声をうるさいといって否定する資格はありません。

 

それに、子供たちが声を出して遊んでいるというのは、何かに夢中になり、一生懸命に生きている証拠だと思いますので、むしろ、微笑ましく思えてきます。

 

ある裁判の判決で、園児の声を「不愉快と感じる人もいれば、健全な発育を感じてほほえましいと言う人もいる」という理由を掲げ、損害賠償請求を棄却したものがありました。

 

弁護士と裁判官とでは、司法の中における役割・立場が異なりますから、時としてぶつかり合うこともありますが、この判決文に関していえば、共感できる素敵な一文だと思いました。

 

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