「厳しい見通し」でもすぐには諦めない

 

「甘い見通しに注意」することと一見矛盾しているように思えるかもしれませんが、「厳しい見通し」でもすぐには諦めない、ということもまた重要です。

 

 

残念なことですが、弁護士の中には、相談の対象となっている法分野について不勉強であるにもかかわらず、そのことを相談者に告げずに、自分がもち合わせている知識だけで回答をしてしまう方がいるようです。

 

そのため、本来であれば権利救済される可能性があるにもかかわらず、当該弁護士の回答は、権利救済の可能性を否定した「厳しい見通し」になっていることがあり得ます。  

 

例えば、私の所属している弁護士法人ポート法律事務所では、まだまだ一般的であるとはいえないフランチャイズ(FC)問題に積極的に取り組んでいるのですが、フランチャイズ(FC)問題のご相談者の方から、当事務所にご相談に来られる前にフランチャイズ(FC)問題を理解していない弁護士に相談をした際、誤った「厳しい見通し」が回答されているケースをしばしば耳にします。

 

 

本来、自己の不勉強を隠して法律相談に応じるような弁護士が非難されるべきは当然のことですし、弁護士たるもの、そのような態度で法律相談に応じるなどということがあってはなりません。

 

しかし、残念ながら、現実問題として、そのような弁護士が一定程度存在することは否定できないように思われます。ですから、ご自身の権利を守るためにも、「厳しい見通し」だからといってすぐに諦めない、という意識をもっておくことは重要だと思います。

  

 

弁護士 吉村 実