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宇宙法研究部会で得られること。

 

本日は、「第一東京弁護士会 総合法律研究所 宇宙法研究部会」に出席してきました。

 

まず最初に、宇宙法の分野では水島淳弁護士と並んで業界のトップを走っていらっしゃる(と私は認識している)部会員の先生が、ご自身のご経験に基づくお話をされました。

先生は、宇宙産業にかかわる企業はもとより、JAXAや内閣府、経産省等からの依頼も受けて、宇宙法・宇宙ビジネスに関わる最先端の分野で活躍をされており、そのようなご経験に基づくお話はとても深いものがありました。近時は、インターネットでささっと検索をすれば一通りの情報は簡単に手に入る時代ですが、今日のお話は、そのような情報とは全く質の異なるものでした。

宇宙法研究部会は、本当に優秀で、実績・経験のある弁護士が多数集まっており、その知見を共有させていただけるのですが、そういうところが、この部会の大きな魅力の一つであると改めて感じた時間でした。

そして、その後には、若手の先生方がお二人、研究発表をなさいました。

お二人の先生は、確か弁護士1年目だったと思うのですが、その能力の高さは目を見張るものがあります。プレゼンの内容、進め方、質疑応答での対応などからも、彼らの資質の高さをまざまざと見せつけられました。宇宙法研究部会には、そういった優秀な若手弁護士も多数在籍しておりますので、私自身、彼らの存在からも大変刺激を受けております。

さて、話が逸れましたのでもとに戻します。

まず、一人目の先生は、宇宙技術を従来の産業に活用する場合に発生する、現行の関連法規(規制)との抵触問題等について発表をされました。

現在の産業は、当然のことですが、もともと地球上で完結されることが前提となっており、宇宙技術の利用といった視点は欠けているといえます。ところが、宇宙技術の発達によって今までとは異なった技術の利用が可能になってきておりますので、そういった観点から法制度(ルール)を検証・再構築していく必要があるのだなぁと、法律家として改めて考えさせられました。

また、二人目の先生は、災害等が発生した際に利用されている宇宙技術についての考察を発表されました。

近時、悲しいことですが、日本国内に限っても大きな災害が頻発しています。自然災害の発生自体を食い止めることは難しいと思いますが、災害の発生を事前に予測して対策を講じ、あるいは、発生してしまった災害による被害を最小限にするために利用できる宇宙技術は少なくありません。

 

例えば、地上の状態の変化をいち早く正確に察知することは、災害による被害拡大を食い止めるためにとても有益なことだと考えられますが、現在、あるいは、近い将来にも、さまざまな観測衛星からデータが得られるようになってきており、被害拡大の防止に役立っているわけです。こういった内容について、先生は精緻な情報を集めて発表してくださり、とても勉強になりました。

 

宇宙法研究部会は、その名称から、宇宙に関連する法律や条約の研究だけを行っているように受け取られてしまうかもしれません。ですが、今日の研究発表のように、宇宙技術そのものやその技術と現実の社会との関わり等についても研究テーマとして頻繁に取り上げられており、そこで得られた知識が部会員に共有されています。

 

我々弁護士は実務家ですから、実社会から離れたところで法律論だけを考えていても社会の役には立ちません。その意味においても、宇宙法研究部会での研究テーマの選択は極めて実践的なものだと感じています。

 

 

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