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今年最初の宇宙法研究部会

 

本日は、平成31年に入って、初めての宇宙法研究部会が開催されました。いつもどおり、部会内の連絡・協議事項が伝達された後、部会員による調査結果の発表が行われました。

 

ところで、次回3月27日の当部会は霞ヶ関の弁護士会館を離れて、国立天文台の見学が決まっているのですが、今回の発表はその見学に向けてということで、「望遠鏡の歴史」がテーマとして取り上げられました。その中で、望遠鏡を発明したのは実はガリレオガリレイではなかった!?という話や、望遠鏡の機能などについても触れられ、宇宙の観測には欠かせない望遠鏡そのものを考えるいい機会になりました。

 

その後は本日のメインイベントとして、株式会社ispace(以下、「ispace社」といいます。)代表取締役の袴田武史氏による「部会内講演」が行われました。

 

宇宙法研究部会では、今回の袴田氏の講演のように、産業界・学界から宇宙産業・宇宙法等の第一人者の皆さまに講師としてお越しいただき、お話をお伺いする機会があるのですが、本日も大変興味深い、貴重なお話をお聴きすることができました。

 

ispace社は、「宇宙を人類の生活圏に。」という考えのもと、将来的には人類にとって必須になるであろう宇宙インフラの構築を支える企業です。そして、宇宙インフラ構築のキーとなるのが宇宙資源の活用ということなのですが、その第一歩として“月(つき)”の水資源活用が考えられるため、現在は水資源の探索に力を入れておられます。また、2040年頃までには“MOON VALLEY (ムーンバレー)”と呼ばれる月面上の街の整備も目指していらっしゃるとのことで、聴いていてとてもワクワクする計画だと思いました。

 

宇宙空間での生活なんて一昔前まではSF映画の世界だったと思いますが、今や現実的なもの、というよりも人類がこれからも生き残っていくためにはむしろなくてはならないもの、という捉え方が正しいのかもしれません。

 

通信インフラを始めとして、私たち人類の生活に不可欠な多くのインフラはすでに宇宙空間に進出しているわけですが、今後は宇宙空間の活用がもっと盛んになっていくことでしょう。

 

ただ、そうしますと、どうしても国、企業、個人に関わらず、利害関係を有する者同士が衝突する可能性を否定できません。そこで、私たち法律家は、そのような利害関係を上手く調整できるように、法的な仕組み作りを通じて宇宙開発に関わっていくことが必要になると考えています。