本日は、年内最後の宇宙法研究部会が行われました。もともとの予定では、部会が終わったあとに忘年会が行われることとなっておりましたが、昨今の状況から、残念ながら今回は中止となってしまいました。
もうしばらくは、この心配な状況が続きそうですので、皆様も、どうぞご無理をなさることなく、くれぐれもご安全にお過ごしください。
さて、それでは本題に入りましょう。
本日は、アクセルスペース社(Axelspace)というベンチャー企業に所属されている、部会員の先生から発表がありました。同社は、超小型人工衛星を活用した宇宙ビジネスを展開している企業で、現在、人工衛星を「ウェザーニュース」などに提供しているとのことでした。
民間の企業が人工衛星を打ち上げて、そこで得られたデータを民間の企業に提供する、そんな時代になってきたわけですが、そういうビジネスの最前線について、実際に現場で関わっている部会員のお話を聴くことができ、とても有意義な時間でした。
そして、本日はもう一人、部会員から発表がありました。テーマは、ずばり「はやぶさ2」。まさにトピックな話題です。
ここ数日の間に、はやぶさ2に関連したニュースがテレビやネットなどでも多く流れておりますので、普段、宇宙ビジネスや宇宙法などに関わっていらっしゃらない方でも、ご存知の方が多いのではないでしょうか。
はやぶさ2のミッションは「小惑星サンプルリターン」ということでしたので、「往きっ放し」のミッションとは異なり、地球に戻って来なくてはならない分、その難度は格段に高くなるそうです。しかし、今回、はやぶさ2は、そのミッションを見事に完遂したということになります。
そして、はやぶさ2は「リュウグウ」という地球外の惑星から岩石等を持ち帰りましたが、そこに含まれている物質を分析することで、地球や生命の起源などに迫ることができ、今後、飛躍的な分析の進展が期待されます。
日本の宇宙技術は、エンジニアの皆さんを始め、そこに関わっていらっしゃる皆さんの力で、世界的にみても胸を張れる最高レベルを突き進んでいるわけですが、こういった技術を日本の宝として保護しながら、世界の発展のために利用していくためには、宇宙法や宇宙条約等の法整備がますます重要になってくるものと思われます。
我々法律家の存在意義は、そういった側面から宇宙に関わっていくことなのだろうと、個人的な思いを改めて確認しながら、今年の宇宙法研究部会を終えました。