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今年最後の宇宙法研究部会

すっかり冬になってしまいました。そして、今年もあとわずかの時間を残すのみとなりました。

 

この時期になると毎年同じことを思うのですが、つい先日令和4年のお正月の挨拶をして新年を迎えたつもりだったのに、あっという間に1年が過ぎてしまい、また新しい年を迎える準備をしなければなりません。

 

まぁ、時の流れに抗うことは全くの無駄ですので、むしろ、その流れにうまく身を任せて、様々な問題を乗り切っていこうと前向きに捉え直すわけですが(笑)、それにしても、年々時の流れるスピードが上がっているように感じています(泣)。

 

さて、今日は、標題のとおり、今年最後の宇宙法研究部会が開かれました。昨年も同じことを書いたかもしれませんが、例年どおりですと、12月の部会の日は、会合が終了した後に部会員の皆さんとそのまま忘年会に行く流れとなっていました。忘年会では、宇宙に関わること、関わらないこと、普段とはまた違った話をして、皆さんのいつもと違う顔を見て、楽しい時間を過ごしておりました。

 

ただ、今般のウィルスの事情から、今年もやはり無理はできないとの判断で、残念ながら、忘年会はお流れとなってしまいました。そういう心配をしないで、みんなで楽しく飲んだり食べたりできる日が早く戻って来ることを切に願っています。

 

さて、前置きが長くなりましたが本題に入ります。

 

本日の宇宙法研究部会では、2名の部会員の先生方から「宇宙ビジネスとリスクマネー供給」、「米国の州法による宇宙産業の促進」をテーマに、それぞれ調査結果の報告をしていただきました。

 

昨今、話題を集めております宇宙ビジネスは、地上におけるビジネスとは異なり、必要となる資金の規模が一般的に大きいという事情がある一方で、その事業自体が途中でとん挫してしまう可能性がついて回ります。

 

例えば、ロケットの打ち上げなどを考えてみると分かり易いかと思いますが、打ち上げまでに多額の資金をつぎ込んで準備をしましても、実際に打ち上げが成功するという保証があるわけではありません。残念ながら、失敗に終わってしまった場合には、それまでにつぎ込んだ資金が消えてしまうということも普通に考えられる話となります。

 

このように宇宙ビジネスは、地上におけるビジネスとは根本的に異なる部分がありますので、その異なる部分について、資金調達の観点から考察された報告が「宇宙ビジネスとリスクマネー供給」というテーマの調査報告でした。

 

次に行われた「米国の州法による宇宙産業の促進」というテーマの調査報告は、米国の各州における宇宙当局の権限等に焦点を当てたものでした。ご担当の先生は、日本の弁護士であることはもちろん、米国のカリフォルニア州とニューヨーク州での弁護士資格も有していらっしゃる先生です。そういったご事情もあるからでしょう、米国の各州における宇宙産業への取り組みについて、詳細なご報告がなされました。

 

例えば、各州の宇宙当局によって、その有する権限が異なっているとのことであり、カリフォルニア州の宇宙当局の責務は、宇宙活動の産業化のための連邦政府の資金獲得に留められているのに対し、ヴァージニア州の宇宙当局は、宇宙港を所有及び運営するといった権限まで有しているとのことでした。

 

米国は、ご存知のとおり、各州によってそれぞれ独立した法規が存在しますので、宇宙政策についても各州によって施策が異なってくるようです。そして、そのことが競争原理となって、宇宙産業の発展に寄与している側面もあるとのことで、そういった効果もあるんだなぁと勉強になりました。

 

 

 

本日も、いつもに増して充実した宇宙法研究部会でした。

そして、また来年も益々内容の濃い、充実した部会になることを楽しみにしながら、本年最後のご報告を締めくくらせていただきます。

 

今年も、お世話になりました。ありがとうございました。

皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。