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宇宙でも保険は必要

近頃はすっかり真夏のような暑さになってきました。皆さま、体調など崩されていないでしょうか。

水分補給をしっかりとして、無事に夏を乗り切りましょう!!

 

さて、本日の宇宙法研究部会は、外部から講師をお招きして、「宇宙保険」についての学びを深めました。

 

私たちの日常生活では自動車を運転する際や病気になった時の備えとして「保険」が利用されているわけですが、宇宙ビジネスにおいても「保険」は重要な役目を果たしています。

 

そこで、本日は、大手損害保険会社からスペシャリストをお招きして、「宇宙保険」についてのご講演をいただきました。

 

宇宙ビジネスといいましても多岐にわたるのですが、基本的には、地上でのビジネスとは異なり、不確定な要素が多く含まれます。

 

例えば、宇宙空間にある人工衛星を考えてみますと、人工衛星を打ち上げるためのロケットは無事に飛ぶことができるか、人工衛星が軌道に乗ったとして、デブリの衝突による損傷等は起こらないか等、人工衛星自体の不備や不具合も全くないことではありませんが、それ以外の外的要因によっても、人工衛星の運用を阻害する要因は多数存在するため、リスクがついて回ります。

 

そして、いかにそのリスクを回避する努力をしたとしましても、人工衛星を予定どおり運用することができない場合は、一定の確率で生じるでしょう。その場合、当該ビジネスに費やしてきたコストは無駄になってしまいますが、それは、一般的に、地上でのビジネスとは比較にならないほど高額な場合が多いといえます。

 

そこで、宇宙ビジネスを進める上で、事業者の救世主となるのが「宇宙保険」ということになります。ただ、この分野の保険は歴史の古いものではなく、かつ、宇宙ビジネスに取り組んでいる事業者の数(換言しますと、保険を利用する事業者の数)は、現状、まだまだ少ない状況ですので、従来の保険をそのまま利用するということができません。

 

現在、本日講師を務めていただいた保険会社のチームを中心に「宇宙保険」の開発が進められ、その際に検討されている実務的な問題について、造詣の深いお話を聴かせていただきました。

 

普段、あまり考えることのない視点や角度からのご説明が多々含まれており、とても勉強になりました。ありがとうございました。