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宇宙法研究部会の様子はこんな感じです。

 本日の宇宙法研究部会は、前回同様ウェブ会議システムを利用した会合となりました。

 とはいいましても、部会長、副部会長や、本日ご講演をいただいた夫馬賢治氏、そして、わたしを含めた一部の関係者は弁護士会館内の講堂で参加しており、いわば“ハイブリッド会合”として実施されました。

 

 宇宙法研究部会は「第一東京弁護士会 総合法律研究所」の中でも大所帯の組織ですので、部会を開催するには大きな会場が必要です。そのため、もともとは霞ヶ関の弁護士会館内にある「講堂」で会合が開かれていたのですが、世の中がこういう状況にあって、前回からウェブ会議システムを利用しております。そして、ほとんどの部会員はウェブで参加をしていますから、逆に「講堂」はガランとなってしまい、ちょっと不思議な状況でした(本日の様子は、上の写真のような感じです。)。

 

 さて、余談はここまでにしまして本題に入ります。上記のとおり、本日は、株式会社ニューラルの代表取締役CEOでいらっしゃる夫馬賢治氏に、ご講演いただきました。夫馬氏は、「ESG思考」や「データでわかる 2030年 地球のすがた」といった大ヒット書籍を、近時、次々と発表されている方ですので、ご存知の方も多いのではないでしょうか。

 

 夫馬氏のご経歴を拝見しますと、東京大学教養学部(国際関係論専攻)をご卒業され、その後、ハーバード大学大学院リベラルアーツ修士課程(サステナビリティ専攻)やサンダーバード・グローバル経営大学院MBAも修了されているとのことですが、頭の回転の速さは言うまでもなく、その豊富な知識、思考の深さなど、ご発言のどこをとっても別次元の高さでした。やはり、世の中で活躍されている方というのは、こういったレベルの方なんですね。

 

 宇宙法研究部会に所属していますと、夫馬氏のような超一流の方とも関わる機会をもつことができ、本当に勉強になることが多いものですから、ちょっと得した気分になります。というか、本当に得してますね(笑)

 

 本日の夫馬氏のご講演テーマは、“ニュースペースビジネスとソフトロー型秩序~ESG時代における宇宙ルール形成の在り方~”というものでした。ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字をとったものです。近時、企業の長期的な成長のためには、これら3つの観点が必要だという考え方が広がってきていますが、この考え方を宇宙ビジネスや宇宙開発という観点で捉えてご説明いただいたのが今日のご講演でした。

 

 事前にいただいていたレジュメは60ページ近い大部でしたが、宇宙法研究部会の開催時間の都合上、夫馬氏には1時間程度でまとめていただきましたので、本当はもっと伝えたいことがあったのではないかと思います。とはいえ、頭のいい人のお話というのは、文章にしてもそうですが、一言一言、一行一行が凝縮されていますから、今日のご講演も高密度の内容であったことは言うまでもありません。

 

 物理的な宇宙開発はまだまだ進んでおらず、これから始まるといっても過言ではない状況ですが、他方で、宇宙開発の両輪の一つともいえる、開発のためのルールも整備が追いついてはいません。そのような中、ESGという視点は、今後の宇宙開発のルールを定める上で、重要な一つの指針(道標)になるものであり、今日、このことについて深く勉強できたのはとてもラッキーなことでした。

 

 本日は貴重なご講演をありがとうございました。