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いよいよ。

 

本日の宇宙法研究部会ですが、「宇宙と安全保障」をテーマとした報告がなされました。

 

昨今の社会的状況はとても不安定です。

自分たちが望んでいなくとも否応なく争いに巻き込まれてしまうという事態が、現実的な問題として突きつけられています。

 

そのような折、我々日本人にとっても、「安全保障」については、皆が改めて考えなくてはならない状況となっているように思います。

 

今回の宇宙法研究部会は、このような社会的状況を背景として、我々が取り扱っている「宇宙」と「安全保障」がどのように関わっているのか、あるいは、今後どのように関わってくるのか、といったことに焦点を当てた調査報告が行われました。

 

もっとも、本日の調査報告では、「宇宙と安全保障」といいましても、そこには2つの内容が含まれているという整理がなされていました。その内容は、①「安全保障のための宇宙」と、②「宇宙のための安全保障」といった整理です。

 

具体的には、①「安全保障のための宇宙」は、地球上の安全保障において、宇宙がどのような役割を果たすのかといった視点からの整理であるのに対して、②「宇宙のための安全保障」は、宇宙空間を安定的に利用していくためにはどのようなガバナンスが必要なのか、平たくいいますと、地球上に存在する各国・各国民が、宇宙利用に関してどういった取り決めをすべきなのか、といった整理でした。

 

近時、宇宙空間は、商用利用よりも、むしろ、各国による軍事利用に重点が置かれているともいえますので、地球上に存在する我々の「安全保障」にとって、「宇宙」が大きな関わりをもっていることは容易に理解できるところです。その意味では、①「安全保障のための宇宙」という整理はすぐにピンとくると思います。

 

他方で、宇宙空間は、近時、各国が自国の戦力を優位にするために、先を争って軍事設備を設置し、あるいは、軍事的な実験等が行われたりしています。そういった現状を踏まえ、宇宙空間を、商用利用をメインとした空間と捉え直し、そのためのルール作りを徹底するなどといったことで、反面として宇宙空間の軍事利用を制限できるのではないか、といった考え方もあるようです。②「宇宙のための安全保障」という整理は、このような文脈での整理も含んでいるようでした。

 

本日は、昨今の社会情勢を踏まえた宇宙に関する調査報告であり、とても興味深くお話をお聴きすることができました。

 

さて、話は変わりますが、タイトルのとおり、いよいよ宇宙法シンポジウムの開催が来週に迫りました。

 

現時点で約250名ほどの方のご出席希望を承っているようですが、まだ少々お席(参加枠)に余裕がありますので、ご興味がおありの方はお気軽にご参加ください。

 

詳細は↓のチラシでご確認いただければと思います。