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裁判を見るにはこうすればいい。③

 

ありがたいことですが、このようなブログでも毎回熱心にご愛読くださる方がいらっしゃいまして、その方の名前を仮にヤマオカさんとしておきますが、ヤマオカさんは、私がブログの掲載を滞らせておりますと“叱咤激励”の連絡をガンガン送ってくださいます(笑)。とはいえ、いつも私を叱り飛ばすだけではなく、興味をもたれた記事には積極的にコメントやリクエストも送ってくださいますので、本当にありがたい存在です。今回の記事は、ヤマオカさんからリクエストをいただいた、裁判を見る(傍聴する)ための“しきたり”みたいなものについて触れてみたいと思います。

 

前回までの記事では、裁判は基本的に自由に見られることや、どこの法廷でどのような裁判をやっているのかを「開廷表」で確認できることなどをご紹介しました。そうしたところ、ヤマオカさんからは、

 

①裁判をやっている最中に勝手に法廷を出入りしても構わないの?

②傍聴するときの服装は?

③大勢で見に行きたいときには予約できるの?

④裁判を見ながら飲食してもいいの?

 

といったご質問をいただきました。どうもヤマオカさんは、裁判の傍聴と映画鑑賞が同じもののように思われているようですが(失礼!)、とはいえ、一般の方からすれば素朴にこのような疑問をもたれることもあろうかと思いますので、一つずつ確認をしていきたいと思います。

 

まず、裁判をやっている最中に勝手に法廷を出入りできるのか(①)ということですが、“口頭弁論”(みなさんもテレビドラマのワンシーンなどでご覧になったことがあるかと思いますが、法廷で裁判官が一段高いところから仕切っているあれです。)の場合には、原則として、いつ法廷に入っても、いつ法廷から出て行っても、それは自由です。もちろん、うるさくしたりして裁判の進行を妨げるような出入りはできませんが、常識的な範囲であれば全く問題はありません。なので、「開廷表」でアタリをつけて傍聴に行ったのだけれども、裁判が始まってみたらあまり興味のない内容だったなどといった場合には、すぐに退廷(退席)することもできます(もちろん、その場の雰囲気で事実上退廷し難いタイミングというものはありますが、空気を読まなければいつでも退廷することは可能だということです。)。

 

ちなみに、ここでご紹介している内容は法廷で行われる“口頭弁論”という、一般の方が普通にイメージされる裁判の手続きについてのことになります。実は、民事訴訟では、いつも口頭弁論が行われるわけではなく、“弁論準備”という口頭弁論とは違った手続で裁判が進められることも多くあるのですが、これは、裁判所の中にある小部屋(会議室)で行われ、裁判官も法服(黒いスモッグみたいなあれ)ではなく普通の服(スーツ等)のまま参加し、普通の会議用テーブルに裁判官、原告(代理人)、被告(代理人)がそれぞれ着席して進行されるというものです。この弁論準備手続は非公開になっておりますので、裁判がこの手続で行われているときには、いくらヤマオカさんが傍聴したいと騒いだとしても叶わないということになります。

 

・・・と、ここまで書いてみて結構な分量になってしまったことに気がつきました。というわけで、続きはまた今度ということにさせてください。

 

 

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