弁護士の利用法

 

我々弁護士は、法律問題や経済活動等に関して、お医者さん(町医者)的な存在として、皆様のご相談をお受けするということも業務の一つになっています。

 

そして、ご相談の多くは、病気になってしまった方をお医者さんが治療するのと同じように、実際に起きてしまったトラブルについて、被害の拡大防止、あるいは、被害の回復を目指すために行われます。

 

ただ、残念なことですが、実際にトラブルに巻き込まれてしまった場合には、その後に弁護士にご相談いただいたとしても、被害を100%回復できるケースは多くありません。相手方がどこかに逃げてしまって、所在不明になってしまえば、それだけで被害回復は事実上困難になってしまいますし、相手方が財産を持っていない(費消してしまって手元にない)場合も同様です。

 

ですから、何か契約を結ばれるとき、とりわけ、高額な契約を結ばれるとき等は、事前に弁護士に相談をして、トラブルに巻き込まれる可能性をできるだけ小さくしておくことが重要だといえます。

 

このようなことは、もちろん若い人にもあてはまるのですが、とりわけ中高齢者の方々には、強くお勧めしたいと思っています。やはり歳を重ねていきますと、どうしても判断能力が衰えてくるという事情もありますが、近時、世の中の情報は刻々と変化しますから、情報の欠如が思わぬ損害につながることもあるからです。

 

 

また、契約の相手方(多くは、営業マンということになるでしょう。)から説明を受ける場に、あるいは、契約の場に弁護士を同席させることも、極めて有効だと思います。

 

弁護士が同席するというだけで、事実上、相手方が詐欺的な取引を持ちかけようとすることはほとんどないでしょうから、弁護士の利用方法として、そのようなこともお考えになっていただいたらよろしいのではないでしょうか。

 

なお、「弁護士への相談」ページもご参考になさってみてください。

 

 

 弁護士 吉村 実(弁護士法人ポート法律事務所)