こんにちは。皆さま、いかがお過ごしでしょうか。
このところ、もう夏になってしまったのか?と思うくらい、気温の上がる暑い日が続きましたが、今日はとても気持ちのいい風が吹き、穏やかな日になっています。
そして、本日行われました宇宙法研究部会も穏やかな会合ではありましたが、いつもどおり内容の濃い、学びの多い時間となりました。
ちなみに、弁護士同士の会合といいますのは、内容にもよるのですが、時にとてもアグレッシブで、殺伐とした空気になることもあったりします(^_^;)
弁護士は、皆、依頼者のためにあらゆる論理や知識を駆使して、相手方と闘うことを生業にしていますので、仲間内の会合であっても、ついついいつもの姿勢が出てヒートアップしてしまうことがあるのですね。“職業病”というやつでしょうか(苦笑)。
さて、話を本題に戻します。
本日は部会員の先生から「宇宙開発と特許権」というテーマで、調査結果のご発表がありました。
宇宙ビジネスの分野では日々技術開発が行われているわけですが、当然のことながら、これらの技術は現時点における最先端の技術であることが多く、近時は宇宙空間で利用される様々な機器において多くの特許出願がなされているそうです。
とはいえ、そもそも特許権には「属地主義の原則」というものがあるのですが、日本もこの属地主義を採用しているため、日本の特許権の効力は日本の領域内においてのみ認められるという論理的な帰結になってしまいそうです。
そうしますと、宇宙空間において我が国の特許権が認められるのかといった根本的な問題に突き当たってしまいます(この問題に関する一つの解決例として、知財高裁令和4年7月20日判決が紹介されていました。)。
また、仮にこの問題をクリアできたとしましても、特許権を侵害しようとする者に対して、当該侵害行為を差し止めることは現実的に難しい部分があるでしょう。その意味ではどうしても特許権による技術保護の実効性には疑問が残ってしまいます。
とはいえ、特許権が侵害された場合、損害賠償請求はできることになりますので、特許権を取得しておく意味が全くないことにはならないといった指摘がなされていました。
本日は、宇宙開発技術に伴う特許権の問題を改めて勉強するよい機会になりました。
貴重なご発表をありがとうございました。